左腕前腕部の二点弁別閾を極限法によって測定する。
スピアマン式触覚計(図1)
図1.スピアマン式触覚計
実験は極限法により行う。被験者は、肘関節伸展で左の前腕を回外し、前腕の前面を正面に向ける。上腕骨上顆の上を通って糸を巻き、正面から見て中心をとる。尺骨頭の上を通って糸を巻き、正面から見て中心をとる。インクでこれらの中心を結ぶ直線を引き、この中点に印をつける。
被験者は左前腕を机の上にのばして、着席し、目を閉じる。実験者はいつも、インクで書いた線の上で、かつ印をつけた中点が大体中央になるように触覚計の先をあてなければならない。あてる場合、触覚計の二つの先端を同時に、同じ強さで、垂直にあてなければならない。実験者は「用意」という予告を与え、それから約0.5sec後に、触覚計を既述した要領で約1.5secあてている。
実験者が触覚計をはずしたら、被験者はすぐに判断を報告する。報告ははっきり分かれて2点と感じたら「2」、1点と感じたら「1」と報告するが、もしにぶい幅の広い点とか、あるいは線や面と感じたら「分からない」〔?〕と報告する。実験者は報告を記録する。
実験者は、報告が終わったら残留感覚を除くために、その部位を軽くなでてやる。そして次の測定に移るまでは少なくとも10secは間をおかなければならない。この実験では、最初被験者がはっきり「2」と感じ、決して「1」とは混同しない距離から始める。そして5oの段階でだんだん距離をせばめていって「1」という判断、あるいは「?」の判断が現れるまでせばめていく。これを下降系列という。
次にどんな被験者でも必ず「1」と判断するような距離から初め、5oの段階まで広めていって、「2」という判断が出るまで続ける。これを上昇系列という。下降系列では「2」が「1」あるいは「?」になれば中止したが、上昇系列の場合は、「1」が「2」になるまで続けるのであって、「?」では中止しない。
このような上昇系列、下降系列を交互にそれぞれ4回ずつ表の左の列から順に計8回行う。上昇系列、下降系列とも、いつも同じところから測定し始めるのではなく、ある場合は非常に離れたところ(長系列)、ある場合はわずかに離れたところ(短系列)から開始する。
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「これから実験を開始します。左の前腕の正面に刺激を何回か連続して与えます。もしそれを2点と感じたら「2」、1点と感じたら「1」と答えて下さい。もし幅の広い点とか、線や面と感じたら「わからない」と答えて下さい。なお、報告が終わるごとに刺激を与えた部分を手でなでますが、気にしないでやって下さい。実験中は目を閉じていて下さい。」
結果を記録表(表1.)に記入し、上昇系列下降系列ともに、試行毎に中止した段階の値とその前の段階の値との平均値をとる。
表1. 記録表
o/系列
↓
↑
↓
↑
↓
↑
↓
↑
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
上昇系列、下降系列毎、さらに全てを一緒にした際の平均値を求める。
1.実験結果や被験者の内観などに基づいて、この実験の手続き上の問題点を考察する。
2.上記に関連して、極限法の一般的な長所、及び短所について考えてみる。